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2019.9.25Wed

イベント

人類学者フレデリック・ジュリアン氏 公開講演会のお知らせ

コミュニケーションツールとしてのマンガ・アニメーションの応用研究

京都精華大学 伝統産業イノベーションセンターと総合地球環境学研究所が公開講演会を開催

2019年10月10日(木)/京都精華大学・総合地球環境学研究所

 

京都精華大学 伝統産業イノベーションセンターは、フランス国立科学研究センター(CNRS)との連携事業として、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)マルセイユ校准教授のフレデリック・ジュリアン氏を招いて講演会を開催します。京都精華大学は、2018年度に文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」の採択を受け「持続可能な社会に向けた伝統文化の『表現』研究」をテーマに研究活動を展開しています。本講演はその研究事業のひとつ「コミュニケーションツールとしてのマンガ・アニメーションの応用研究」の一環です。また、京都精華大学と総合地球環境学研究所の共同プロジェクトである「マンガ・アカデミック研究会」の第2回でもあります。本講演では、ジュリアン氏自らが考案した研究方法「Anthropographiks(マンガ人類学)」をもとに、フランスと日本における伝統技術の比較研究についてお話いただきます。

【フライヤー】191010_FJ_flyer.pdf (982KB)

 

◆ The Art of Making and the Technical Milieu
「ものづくりとわざの現場から」

日時:2019年10月10日(木)13:00-14:30
会場:総合地球環境学研究所 講演室
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457番地4
参加費:参加無料/申込不要
言語:英語


本講演では、日本とフランスをつなぐ、あまり知られていない人類学の歴史を紹介します。1930年代、フランスの人類学者アンドレ・ルロワ=グーランは、京都の「わざ」や技術の調査を行いました。今回はその成果を糸口に、日本とフランスの物質文化研究における新たな共通課題を模索します。近年、フランス語圏を対象とした人類学研究では、伝統的な職人技と先端技術、またその二つが混ざり合い形成されるサヴォアフェール(ノウハウ、わざ)の調査が進んでいます。社会環境(milieu)や身体動作、技術、機能美などのキーワードを取り上げることで、時代や空間を超えて様々な文化のわざの現場に流れる共通の要素に焦点を当てます。

 

◆ Anthropographiks: an Intersection of Artisan, Scientist and Mangaka's Savoir-Faire
「職人と学者、漫画家の出会いが生むもの —『マンガ人類学』の研究手法を通して」

日時:2019年10月10日(木)16:20-17:50 
会場:京都精華大学 黎明館 L-001
〒606-8588 京都市左京区岩倉木野町137
参加費:参加無料/申込不要
言語:英語/日本語(逐次通訳)

2016年に始まった「Anthropographiks(マンガ人類学)」プロジェクトは、学術的な出版物における絵やマンガ、写真などの視覚素材の位置付けを問うものです。『Another Way of Telling(もう一つの語り方)』(共著/ジョン・バージャー、ジャン・モア/1981)で取り上げられた課題をもとに、ジュリアン氏は文字と絵、写真、映像、音を研究のあらゆる過程で組み合わせ、学術的な記述に絵を取り入れる編集方法に取り組んできました。本講演では、人類学特有の課題を、より広い読者層に向けてどのように伝えられるか、フランス、アメリカ、日本で制作されたバンド・デシネ、コミック、マンガを例に、「Anthropographiks」がもつ可能性を紹介します。

 

プロフィール


Photo Credit: D. Goupy

フレデリック・ジュリアン
人類学者/フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)マルセイユ校准教授

2011年までコレージュ・ド・フランス社会人類学研究所副所長、EHESS「進化、自然、文化」異分野研究プログラム長を務めるほか、2006年から2017年にかけて、EHESS刊行誌「Techniques & Culture」の編集長として雑誌の制作に携わる。主な研究課題に、技術的・文化的現象が進化の過程にもたらす長期的な影響や、アフリカとヨーロッパにおける人間と動物間の交流など。現在は独自の研究方法「Anthropographiks(マンガ人類学)」の実践と、「わざ」の比較研究をテーマにした国際プロジェクトに取り組む。著作に『Reasoned Anthology of Techniques & Culture』(共著/G. Bartholeyns、N. Govoroff/2010)、『Gesture and Matter』(2011)など。

 

主催:京都精華大学 伝統産業イノベーションセンター
共催:総合地球環境学研究所
協力:マンガ・アカデミック研究会、フランス国立科学研究センター(CNRS)、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)

 

京都精華大学 伝統産業イノベーションセンター
伝統産業イノベーションセンターは、これまで京都精華大学が培ってきた伝統産業の知見を集約し、より活発な教育・研究活動に還元するために2017年に設立しました。〔研究〕〔教育〕〔社会連携活動〕を大きな軸として、世界有数の工芸産地・京都を拠点にさまざまな国や地域の手仕事との連携を目指しています。

 

Cover image illustrations by A. Leroi-Gourhan (1941)
Flyer design by Yoshimitsu Shimomoto (EIGHTY ONE Inc.)