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2023.7.26Wed

イベント

シンポジウム開催のお知らせ「ROOT(S)|八瀬陶窯から芋づる」

「ROOT(S)|八瀬陶窯から芋づる」
京都精華大学 伝統産業イノベーションセンター シンポジウムを開催

2023年8月26日(土)参加費無料


石黒宗麿(1893-1968)は、1936年に京都市左京区八瀬に築窯し、晩年までこの地を拠点に陶器を作り続けました。1955年に鉄釉陶器の技法による重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されるなど、中国や朝鮮の古陶磁に肉迫しつつも、独自のエスプリを持った個人作家として知られています。1956年には自身の工房が後進の陶芸家の研究の場となるべく「財団法人 八瀬陶窯」を設立しています。石黒の没後、八瀬陶窯は関係者の管理を経て、2003年からは京都精華大学が施設管理を行なっています。


本学では、伝統産業イノベーションセンターが中核となって石黒宗麿および八瀬陶窯に関する調査研究に取り組んできました。とりわけ注力してきたのが、八瀬陶窯で掘り起こされた陶片からみた石黒の陶器作りや、石黒に関する人的なネットワークについての調査でした。それは、断片的な情報をたよりに少しずつ石黒宗麿という人間の生き方を確認していく行為であり、まるで、土から掘った芋の蔓ひとつひとつの行方をたどるような作業でした。2023年度には、工房のある母屋を修繕し、今後、実地的に石黒の陶器作りの調査を行なう研究拠点として運用していきます。


本シンポジウムでは、はじめに、これまでセンターにて行なってきた八瀬陶窯の陶片を用いた研究や展覧会などの活動、五条坂を中心とした京焼の陶工たちと石黒の交流・影響関係を探ることで、八瀬陶窯という場の意味合いを見出していきます。また、伝統工芸を新たな視点から継承している先行事例として、福島県昭和村におけるからむし織の体験生と村人との協働や、郷土玩具の木地師や福祉施設との協働による実験的な玩具制作のアプローチを紹介します。さらに、座談会では石黒宗麿の陶器が生み出された八瀬陶窯のまだ見ぬ「root(s)=根、地下茎」を芋蔓式に掘り起こしていくことで、八瀬陶窯という場がどのような活用の可能性を持っているかを探ります。

「八瀬陶窯」の見学会も同日に開催いたしますので、この機会に是非ご参加ください。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
【フライヤー】roots_Flier (469 KB)

 

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シンポジウム「root(s) - 工芸から覗く未来|八瀬陶窯から芋づる」
日時|2023年8月26日(土)13:30-16:00(開場13:15-)
会場|京都精華大学明窓館大ホール
登壇者|鞍田崇(哲学者)/軸原ヨウスケ(デザイナー)/清水愛子(研究者)/中村裕太(美術家)
参加無料/要事前申込/当日参加可

参加申込先|https://forms.gle/yQKepfndCZppuEV96

 

※八瀬陶窯の見学会は定員に達したため参加受付を締め切りました。


八瀬陶窯の見学会
日時|2023年8月26日(土)10:00-12:00

参加無料/要事前申込/定員30名程度(先着順)

*八瀬陶窯の見学会は、先着順にて定員30名程度となります。
お申し込みをいただいた方には前日までにメールにて集合時間・場所等をお知らせします。



本シンポジウムでは、出張託児所を開設しています。
ご希望の方は、上記のフォームよりお申し込みください。
申込の締切は8月10日(月)になります。


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登壇者プロフィール|

鞍田 崇(哲学者/伝統産業イノベーションセンター特別共同研究員)
1970年兵庫県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。現在、明治大学理工学部准教授。近年は、ローカルスタンダードとインティマシーという視点から、現代社会の思想状況を問う。
著作に『民藝のインティマシー「いとおしさ」をデザインする』(明治大学出版会 2015)、『からむしを績む』(著書、渡し舟、2021)など。民藝「案内人」としてNHK-Eテレ「趣味どきっ!私の好きな民藝」に出演(2018年放送)。

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軸原 ヨウスケ(デザイナー/伝統産業イノベーションセンター特別共同研究員)
1978年岡山県生まれ、岡山在住。「遊びのデザイン」をテーマにしたデザインユニット「COCHAE(コチャエ)」のメンバー。グラフィックデザインにとどまらず、紙雑貨やパッケージのデザイン、出版企画や商品開発など幅広く活動中。
著書に『kokeshi book 伝統こけしのデザイン』(青幻社、2010)、『カワイイヲリガミ細工』(誠文堂新光社、2016)、『アウト・オブ・民藝』(著書、誠光社、2019)など。

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清水 愛子(研究者/意匠学会会員)
京都工芸繊維大学大学院博士後期課程修了。現在、京都芸術大学、広島市立大学非常勤講師。京焼の近代化に関する研究と共に、これまでの革新的な京焼の歴史を受け継ぎ、「京焼今展」や「京都・五条やきもの市」など、今という時代にかなった新たな試みを支える活動を行なっている。共著に「京都 伝統工芸の近代」(思文閣出版、2012)、「京都 近代美術工芸のネットワーク」(思文閣出版、2017)など。

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中村 裕太(美術家/伝統産業イノベーションセンター員)
1983年東京都生まれ、京都在住。京都精華大学博士後期課程修了。博士(芸術)。京都精華大学芸術学部准教授。〈民俗と建築にまつわる工芸〉という視点から陶磁器、タイルなどの研究と制作を行なう。
展示に「ツボ_ノ_ナカ_ハ_ナンダロナ?」(京都国立近代美術館、2020)、「MAMリサーチ007:走泥社─現代陶芸のはじまりに」(森美術館、2019)など。著書に『アウト・オブ・民藝』(著書、誠光社、2019)。





主催|京都精華大学伝統産業イノベーションセンター・意匠学会
協力|京都精華大学展示コミュニケーションセンター
お問合せ先|京都精華大学 伝統産業イノベーションセンター
E-mail:dento2@kyoto-seika.ac.jp
https://dento.kyoto-seika.ac.jp/

交通アクセス|京都精華大学明窓館大ホール
〒606-0016 京都府京都市左京区岩倉木野町137
叡山電鉄鞍馬線「京都精華大前」下車、徒歩すぐ
地下鉄烏丸線「国際会館」下車、3番出口よりスクールバスで約10分
*駐車場はございません。公共交通機関をご利用ください。
https://www.kyoto-seika.ac.jp/access.html