京都精華大学 伝統産業イノベーションセンター主催
フランスにおける伝統文化の「表現」展示
「楮とマンガとフィールドワークー日本の紙漉きの現場から」について
京都精華大学 伝統産業イノベーションセンターは、2019年10月、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)マルセイユ校准教授のフレデリック・ジュリアン氏と「漫画人類学(Anthropographiks)」という新たな研究手法を用いたフィールドワークを行いました。
「漫画人類学」では、絵を描く作家(漫画家やイラストレーター)も研究者の一人として、フィールド調査の現場に参加し、自らの体験をもと調査内容を描くという、ジュリアン氏が発案した研究手法です。従来の事後的なイラスト化や視覚化とは異なり、調査の段階から作家が研究に関わることで、学術研究における新たな視覚表現を模索する試みです。
今回の研究のテーマは和紙。本学卒業生でイラストレーターのホリグチイツさんとともに、京都府綾部市の黒谷和紙や、福井県越前市の越前和紙の工房や製紙所を訪問しました。その様子を描いた漫画が今年仏訳され、12月19日からフランス南部の植物園「ドメーヌ・ド・レイオル(Domaine du Rayol)」にて公開されます。全22枚の漫画は、日本全国の和紙産地の地図や、和紙製品(便箋や提灯)とともに、3月14日まで展示予定です。
京都精華大学は、2018年度に文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」の採択を受け「持続可能な社会に向けた伝統文化の『表現』研究」をテーマに研究活動を展開しています。本企画はその研究事業のひとつ「コミュニケーションツールとしてのマンガ・アニメーションの応用研究」の一環として、フランス国立科学研究センター(CNRS)と連携し、開催します。
【フライヤー】201219_washi_exhibition.pdf (2MB)
◆ Washi: du Mûrier au Manga, l’Art du papier au Japon
「楮とマンガとフィールドワークー日本の紙漉きの現場から」
会期:2020年12月19日(土)〜2021年3月14日(日)
開園時間:9:30-17:30
会場:ドメーヌ・ド・レイオル(植物園)
Avenue Jacques Chirac, 83820 Rayol-Canadel-sur-Mer, France
主催:京都精華大学 伝統産業イノベーションセンター
協力:フランス国立科学研究センター(CNRS)ノルベルト・エリアス・センター、
沿岸域保全整備機構(Conservatoire du Littoral)